家族が統合失調症と診断されたら

統合失調症の回復のために家族ができること

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病気と一定の距離を置こう

統合失調症を患ってしまった方の家族が共倒れにならないよう、病気と一定の距離を置いて関わる方法と、自立を支援する制度や施設を紹介しています。

家族が共倒れにならない統合失調症との関わり方

統合失調症では本人はもちろん、家族にも大きな心身の負担があります。

回復のためには援助する家族が心身ともに健康であることが大切だと考えて、負担がかかり過ぎない工夫をすると良いでしょう。家族が共倒れにならないための、病気との関わり方の例を見てみましょう。

巻き込まれ過ぎないようにする

家族の一員が統合失調症と診断されると、周囲の家族はついつい過保護に甘やかしてしまいがちになります。しかし過保護な対応や大げさ過ぎる感情表現、極端な自己犠牲は、既に家族が巻き込まれ過ぎていることを表しています。

本人ができること、または自主的にやろうとすることは上手くできなくても手を出さない。食べ終わった後の食器の後片づけを手伝ってもらうなど、家事手伝いの役割分担をはっきりさせる。思うように動いてくれなくても本人のやり方やペースに任せて、辛抱強く見守るなどの対応を心がけます。

適切な距離を保つ

統合失調症では、家族が「保護すること」と「自立心を育てること」の両方のバランスを考えながら、治療の援助をしていくことが好ましいとされています。

ささいな行動をいちいち細かくチェックしたり過保護な対応をすることは、回復の妨げになるばかりか再発を促してしまうことさえあります。過度に干渉することは「信じられていない」「解ってくれない」という気持ちを起こさせて、本人の大きなストレスの原因になってしまうので充分な注意が必要です。

社会復帰を支援する制度や施設

統合失調症では家族に大きな精神的・時間的・経済的負担がかかるため、これを抱え込み過ぎてしまうと共倒れになってしまうことがあります。

精神疾患の患者を対象とした各種の社会復帰支援制度、施設があるので、必要に応じて利用することで家族の負担を減らす工夫も大切です。統合失調症の治療で利用できる、自立を支援するための制度や施設を見てみましょう。

精神障害者保健福祉手帳の交付と福祉サービス

精神障害者を対象とした福祉手帳の交付を受けると、自立と社会参加を促進するための各種サービスや優遇措置を受けることができます。

手帳の交付には申請書と、6ヶ月以内に発行された診断書の提示が必要です。福祉サービスの内容は各地の自治体によって異なります。

国・地方自治体の福祉制度
制度区分 サービスの内容
生活保護 障害者加算の認定
手当等 特別児童扶養手当の受給
心身扶養共済制度の加入
特別障害者手当
障害児福祉手当
障害者総合支援法による福祉サービス 居宅支援サービス/日中活動サービス/居住支援サービス
さまざまな福祉サービス
税制 障害者控除(所得税、住民税)
新マル優制度の適用
事業税の非課税
相続税の控除
贈与税の控除
利用料 NTTの104の電話番号案内利用料の免除
携帯電話の基本使用料の半額割引
住宅 公営住宅の優先入居
公団住宅の優先入居
その他 生活福祉資金の貸付
駐車禁止規制の適用除外
低料金第3種郵便の承認
都道府県・市町村の施策
公共利用施設の減免 公民館・美術館・博物館・公園・スポーツ施設など公共施設の利用料の減免
レジャー施設利用料の減免 映画館・水族館・テーマパーク・温泉などの利用料およびゴルフ場利用税の減免
運賃の減免 バスや電車、地下鉄などの運賃割引
タクシー運賃の助成 福祉タクシーの利用、タクシー券の配布
道路交通料の助成 有料道路の交通料の助成
税の減免 自動車税、軽自動車税金、車両取得税などの減免
駐車料金・駐輪場料金の減免 主に公的機関運営駐車場、駐輪場の利用料を減免
燃料費の助成 自動車のガソリン購入費の助成(タクシー券利用との選択など条件あり)
公営住宅の入居優遇 特別枠での募集、優先抽選など(所得により減免)で優先的に入居が可能
公営住宅の家賃減免 公営住宅の家賃の割引(所得により制限)
施設等通所費の助成 作業所など社会復帰施設への通所にかかる交通費などの助成
その他 CATV受信料の減免
インターネット通信料金の減免
上下水道料金の減免
配食サービスの実施

優遇措置

本人または家族が障害者手帳を持っていると、障害者控除の優遇措置によって税金が安くなります。毎年申請しなければなりませんが、慣れればそれほど難しくないので負担を少しでも軽くするためには利用することをおすすめします。

【優遇措置が受けられる税金】
所得税/住民税/都道府県民税/市町村民税/相続税・贈与税/自動車税/預貯金の利子に対する課税

障害者自立支援医療制度

精神科病院に通院する際の医療費の90%を公費で負担する制度です。自己負担分は10%になるため、経済的にとても助かる制度です。自立支援医療制度は初診の時から利用が可能です。原則として自己負担分は10%ですが、世帯の所得によって1ヵ月あたりの上限額が定められています。

区分 世帯の収入状況 上限額
生活保護世帯 生活保護 負担額:0円
低所得 市町村民税:非課税
本人収入が80万円以下(1)
本人収入が80万円を越える(2)
(1)2,500円
(2)5,000円
中間所得層 市町村民税が2万円未満(1)
市町村民税が2万円以上20万円未満(2)
(1)10,000円
(2)40,200円
一定所得以上 市町村民税が20万円以上 公費負担の対象外

自立を支援する医療サービス

統合失調症などの精神科障害者を対象としたレクリエーションやデイケア、ナイトケアが実施されています。医療機関で実施しているものと公的機関が実施するものでは実施方法や費用に違いがあるので、それぞれを比較した上で利用を検討すると良いでしょう。

実施機関 概要 プログラムの内容 費用
医療機関 1日6時間程度で医療機関によって30名程度までの小規模なものと、70名程度まで可能な大規模なものに分かれます。 料理教室/生活技能訓練/球技や音楽/絵画/お花見/スポーツ大会/キャンプ/体力づくりを行うレクリエーション/模擬面接など
自分のニーズに応じて参加することが可能です。
医療保険(自立支援医療制度)が適用可能です
公的機関 保健所や精神保健福祉センターで実施するもので、通所するタイプと入所して行うタイプがあります。 内容は医療機関が行うデイケアサービスと、ほとんど同じです。 精神保健福祉センターが実施する場合は医療保険が適用されます。他に作業に使う材料費、交通費、食費は実費を負担します。
 
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