家族が統合失調症と診断されたら

統合失調症の回復のために家族ができること

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回復までの経過は?

統合失調症の発症から回復までの経過について説明しています。

統合失調症の症状の経過

統合失調症は、「前兆期」「急性期」「回復期」「安定期」に分けて、それぞれの時期の特徴を把握すると理解しやすいかも知れません。

前兆期

焦りや不安、感覚過敏、集中困難、気力の減退など様々な症状があらわれます。症状としては不安障害や鬱病に近いため、すぐには統合失調症と判断できないこともあります。前兆期には不眠や食欲不振、頭痛など自律神経の障害による症状が出やすいことも特徴です。

この時期に統合失調症の診断をすることは困難ですが、再発を繰り返す患者の場合は前兆期の症状から早期に本人や家族が再発に気付くことができるため、早い時期から治療を始めることが可能です。

急性期

急性期には幻覚や妄想をはじめとする、統合失調症に特有の症状が強く出現します。

そのため患者は不安や恐怖、切迫感に苛まれて睡眠や食事のバランスが崩れることから、昼夜逆転の生活になったり行動にまとまりを欠いたり、周囲とのコミュニケーションが取れなくなるなどの対人的・日常生活的な障害を起こすようになります。

回復期

治療の効果が表われ始めて、急性期の激しい症状の発現が治まっていく時期です。現実感が戻り始めますが疲労感や意欲の減退が続くために、患者は将来の不安や焦りを感じるようになります。

家族や周囲からは病状が改善されたように見えるものの、本人は症状を自覚しているため、元気が出ない時期でもあります。統合失調症の症状が治まる前のアンバランスな時期であることを理解して、辛抱強く症状が改善されていくことを待つ姿勢が大切です。

安定期

回復期の不安定な状態から脱して、安定が取り戻される時期です。この時期の状態には個人差が大きく、すっかり元通りに元気になる場合もあれば回復期の疲労感・意欲減退を引きずってしまう場合もあります。

急性期の症状が取り除けずに残ったままになることもありますが、安定期が長く続く場合ではリハビリテーションなどで社会復帰できることも少なくありません。ただ、油断すると前兆期の再発も見られるため、医師の指導に従って適切な治療を続けることが必要です。

予後

統合失調症の治療の予後の経過統計を見ると、すっかり治癒したり軽度の障害のみという予後になる割合は、全体の50%~60%です。反対に重度の障害が残ってしまった例は、全体のわずか10%~20%に過ぎません。

治療に使用する薬物や治療法の開発は目覚ましい発展を見せているため、今後はますます良い結果になっていくと思われます。

統合失調症では症状が発現してから薬物治療を始めるまでの期間(精神病未治療期間)が短いほど予後の経過が良いことが解っています。早期発見と早期治療が、統合失調症の治療を良い結果に導くカギです。

統合失調症治療の期間

統合失調症の治療は抗精神病薬による投薬療法が基本のため、外来通院により家庭や地域で治療する方法が一般的です。

しかし患者自身に病気の自覚(病識)がなかったり、自傷行為や他害行為など日常生活に支障を来す場合では統合失調症医療保護入院や措置入院(強制入院)を行わなければならないこともあります。統合失調症の治療で入院した場合の平均的な入院期間は、約1ヵ月から3ヵ月とされています。

 
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