家族が統合失調症と診断されたら

統合失調症の回復のために家族ができること

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どんな薬があるの?

医療機関で処方される、統合失調症の治療薬(抗精神病薬)の種類と、その働き(作用・副作用)について説明しています。

抗精神病薬のタイプ

統合失調症の治療薬

抗精神病薬には大きく分けて、定型抗精神病薬(従来型抗精神病薬)と非定型抗精神病薬(新規抗精神病薬)があります。また、注射剤経口剤があり、患者の状態などにより選択されます。

注射剤には静脈注射と筋肉注射の2種類があり、筋肉注射では2週間から4週間も効果が持続する持効性注射剤もあります。

経口剤としては錠剤や液剤、細粒など色々な剤形があり、成分がゆっくり溶け出して効果が継続するタイプや水なしでも溶ける錠剤、携帯に便利な分包になった液剤などがあります。

定型抗精神病薬(従来型抗精神病薬)

ドーパミンを抑制する働きのみを持っています。中脳辺縁系に作用してドーパミンの分泌を強力に抑制するため、統合失調症の陽性症状に対して顕著な改善が得られる特徴があります。しかしドーパミンは神経伝達物質であるため、陰性症状や認知機能障害が進行する恐れもあります。

非定型抗精神病薬(新規抗精神病薬)

ドーパミンを抑制する定型抗精神病薬が陽性症状に強力に作用する反面で副作用も多いことから、セロトニンなど他の神経伝達物質への働きも合わせて行うように改善されたものが非定型抗精神病薬(新規抗精神病薬)です。

従来型では改善が見られなかった陰性症状や認知機能障害にも効果が得られることがあり、副作用が少ないことが特徴です。

抗精神病薬の種類と作用

統合失調症の治療に使われる抗精神病薬には、大きく分けて次の3種類の作用があります。抗精神病薬には色々な種類があり、それぞれに3つの作用のどれが強く働くかで特徴が分けられます。

  • 幻覚や妄想、自我障害などの陽性症状を改善する「向精神病作用」
  • 不安や不眠、興奮、衝動性などを軽減する「鎮静催眠作用」
  • 感情や意欲の障害など陰性症状を改善する「精神賦活作用」

処方する精神科医師は患者の症状を診て、最低限の薬物の選択を行うことになります。薬の効果は個人個人によって違うため、薬による症状の改善の様子を見ながら医師と患者が協力して最適な処方を見出していくことが大切です。

抗精神病薬の副作用

統合失調症の治療薬の副作用

抗精神病薬は長期間服用を続けることを前提に開発が進められているため、全体的には副作用の少ない安全な薬が多いと言えるでしょう。

 

統合失調症の症状が改善した後の維持期に薬を中断してしまうと、数年のうちに6~8割の患者が再発してしまいます。副作用を恐れるあまり服用を中断することがないよう、副作用についても正しい知識を持っておくことが必要でしょう。

抗精神病薬の代表的な副作用には次のようなものがあります。

●色々な薬物に共通の副作用

抗精神病薬に限らず薬の服用は、肝臓や腎臓に負担を与えます。薬物によっては高血糖や糖尿病が引き起こされるものもあるため、3ヵ月~6ヵ月に1回は血液検査、尿検査、心電図などのチェックを行った方が安心でしょう。

●抗精神病薬の特有の副作用

落ち着いて座っていられない(静座不能症状=アカシジア)や体がこわばってうまく動かせない症状、震え、よだれが出るパーキンソン症状、口などが勝手に動いてしまう不随意運動(ジスキネジア)、筋肉の一部が引きつるジストニアなどがあります。副作用を軽減する薬物の併用や、投与量を調節することで改善されます。

●薬物の随伴的副作用

眠気、だるさ、立ちくらみ、口渇、便秘などが見られることがあります。使用する薬物の変更や量の調節によって、改善されることがあります。

●重篤な副作用

極めて稀なケースですが、重篤な副作用が表れることもあります。高熱や筋強剛、自律神経症状が表われた場合は速やかに医師の治療が必要です。このようなケースで多いのが、副作用を恐れて勝手に薬の服用量を減らしている場合です。処方した薬物の効果が表われないため医師が薬の量を増やすことで、悪循環に陥る危険があります。

 
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