家族が統合失調症と診断されたら

統合失調症の回復のために家族ができること

HOME » 家族が持つべき基礎知識(1)統合失調症という病気を知ろう » 治療の方法は?

治療の方法は?

統合失調症を診てくれる医療機関など

統合失調症の相談で多いのが「どこの病院に行けば良いのか」という相談です。

精神科病院やメンタルクリニック、大学病院や総合病院など精神科を受診できる医療機関は各種ありますが、それぞれに特徴もあるので症状に適した医療機関を選択することが好ましいと言えるでしょう。かかりつけの医師などから紹介してもらうのも良い方法です。

困ったときは最寄りの保健所や精神保健福祉センターでも相談に乗ってくれます。

【医療機関ごとの特徴】

精神科病院 レクリエーションやデイケアサービスのための設備やスタッフが充実していることが多く、ゆっくりしたペースでの治療やリハビリテーションに適しています。急性期病棟と慢性期病棟が分けられていることもあります。
クリニック メンタルクリニックや精神科クリニックと呼ばれています。街中の通院しやすい場所にあることが多く、明るく開放的なイメージで気軽に受診しやすいのが特徴です。
入院設備を持った精神科病院のサテライト施設として機能していることも多く、入院治療が必要な場合にも適切な病院を紹介してくれます。クリニックによっては旅行やレクリエーション、スポーツなど独自のプログラムを実施しているところもあり、デイケアサービスや夜間過ごせる場所を提供するデイナイトケアサービスを提供しているところもあります。
大学病院
総合病院
外来だけでなく入院設備が完備されていることが多く、精神科以外にも多くの診療科目の受診が可能です。
精神疾患の患者で身体損傷を伴う症状や成人病を合併している場合には、他の診療科目が充実して総合的な治療ができることから適した医療機関と言うことができるでしょう。

精神科を受診すると、すぐ入院しなければならないのでは…という不安を良く聞きます。

実際には患者本人が希望する場合や日常生活を送ることが困難な場合、積極的な服薬や静養が行えないなど限られた条件の場合に入院治療を行い、多くは通院で治療が行われています。医療技術の進歩によって通院で効果の高い治療ができるようになったことも、背景として上げられるでしょう。

統合失調症は早期に治療を始めた方が病気の回復も早く、症状も軽くすみます。また、医療費の90%までを補助してくれる「自立支援医療制度(精神通院制度)」もあるので、患者本人が辛そうだったり悩んでいるように見えるときには家族から受診を勧めることも必要でしょう。

統合失調症の診断基準

統合失調症の診断とは

統合失調症の診断は世界保健機構(WHO)や米国精神医学会が定める診断基準をもとに行われています。

統合失調症に特有の症状を記述した診断項目に該当する項目が2つ以上見られ、かつ認知機能障害による社会的・職業的機能の低下を伴う状態が6ヵ月持続している場合には統合失調症が疑われます。

A、特徴的症状

以下の症状のうち2つ以上が、それぞれ1ヶ月間ほぼ常に存在する
(1)妄想
(2)幻覚
(3)まとまりの無い会話(頻繁に脱線する・脈絡が滅裂)
(4)まとまりの無い行動や緊張型の行動
(5)感情の平板化、思考貧困、意欲の欠如などの陰性症状

B、社会的または職業的機能の低下

仕事や対人関係、自己管理などの面で発症前の水準より1つ以上の機能が著しく低下している。あるいは社会年齢的に期待される対人的、職業的、学業的水準に達していない。

C、期間

病状が6ヵ月間以上持続している。

D、統合失調感情障害と気分障害の除外

統合失調感情障害と「気分障害、精神病性の特徴を伴うもの」が以下の理由で除外されていること。
活動期の症状と同時にうつ病や躁病、または混合性の躁鬱的症状が発症していない。

E、物質や一般身体疾患の除外

物質乱用や身体疾患によって生じたものではないこと。

F、広汎性発達障害との関係

自閉性障害の既往があった場合には、幻覚や妄想が1ヶ月以上続いた場合のみ診断する。

統合失調症の治療

統合失調症の治療は病状の進行に合わせて、急性期治療と慢性期(休息期・回復期)治療、維持期(症状が消失した後)治療の3つに分かれます。それぞれの時期における治療方法の特徴を見てみましょう。

急性期治療

急性期の治療では抗精神病薬の投与によって、幻覚や妄想などの激しい症状を抑制することを中心に進められます。急性期に顕著な幻覚や妄想、自我障害などの陽性症状は抗精神病薬による抑制の効果が高いため、できるだけ早期に治療を開始することによって症状が深刻化することを防ぎ回復の可能性も高くなります。

薬によって幻覚や妄想などの症状が抑制されることを「薬で洗脳される」と誤解することもあるようですが、実際の薬の効果は「幻覚や妄想に無関心になる」「行動に影響しなくなる」というように、症状に過敏に反応しにくくなるという形でもたらされているようです。

慢性期治療

休息期および回復期の慢性期には、薬物療法に加えて心理社会的療法などのリハビリテーションが行われます。慢性期には感情や意欲の障害などの陰性症状と認知機能障害のために生活のしづらさが残ることが多く、リハビリテーションを組み込んだ療法が後の社会生活復帰のカギを握っていると言えます。

また慢性期には急性期に処方されていた抗精神病薬が続けて処方されますが、症状の改善に合わせて徐々に投薬の量を減らしていきます。

維持期治療

抗精神病薬には精神症状への効果だけでなく、再発予防の効果があります。抗精神病薬の投与によって幻覚や妄想の症状が改善した患者でも、薬物の投与が中断された場合には数年で60%~80%の患者が再発してしまいます。

維持期治療(維持療法)は統合失調症の症状が改善した患者に引き続き抗精神病薬を投与することによって、病状の再発を予防する目的で行われています。

 
家族が統合失調症と診断されたら