家族が統合失調症と診断されたら

統合失調症の回復のために家族ができること

HOME » 家族が持つべき基礎知識(2)統合失調症の症状について » 【症状チェックリスト】

【症状チェックリスト】

統合失調症に多い幻覚や妄想の症状は、本人にとってはハッキリと現実味を帯びて感じられるため、なかなか病的な症状とは気付きにくいものです。

家族や周囲の人が気付くことが、早期発見・早期治療の糸口となることもあります。統合失調症が疑われるときは、次のチェックリストを参考にすると良いでしょう。

統合失調症の症状チェックリスト

本人が訴える症状(兆候)に該当するものに、チェックしてください。

1 誰かに操られているのではないかと感じることがある
2 1つのことに集中したり、とっさに判断ができなくなった
3 みんなに自分の悪口を言われていたり、嫌がらせをされたりするんじゃないかと感じる
4 自分が誰かから監視されたり、盗聴されたり、狙われているんじゃないかと感じる
5 ひどく不安になったり緊張したりするようになった
6 人と話すのが苦痛になり、誰とも話さなくなった
7 「楽しい」とか「嬉しい」とか「心地よい」などと感じることがなくなった
8 さっき起こったことを思い出せなくなったり、頭が混乱して考えがまとまりづらくなった
9 正体不明の声が自分を責めたり命令してくる
10 何をするにも億劫で、意欲や気力などがなくなった部屋に引きこもっている
11 頭の中の音が騒がしくて眠れない、または眠りすぎるほど眠るようになった
12 独り言や一人笑いをするようになった
13 ささいなことに過敏になり、注意力が散漫になったり、興奮するようになった
14 自分の考えていることが周りに筒抜けになっていると感じる
15 部屋に引きこもって、1日中ぼんやりとして過ごすようになった

上の項目のうちチェックの数が2つ以上あって、その状態が1ヵ月以上続いている場合は統合失調症の可能性があります。しかし統合失調症に似た症状を示す別の病気もあるため、素人判断しないで早期に医療機関を受診することが大切です。

統合失調症に似た症状があらわれる病気

統合失調症に似た病気

気分障害や人格障害では統合失調症に似た症状を引き起こすことがあります。

身体疾患にも精神症状を引き起こすものがあり、薬物の使用によっても統合失調症に類する症状を呈することがあります。統合失調症の診断には、これらの病気との鑑別が必要とされています。

気分障害

うつ病に代表される気分障害では、双極性障害(躁鬱病)の躁状態のときが統合失調症の陽性症状と似ていて、うつ状態が陰性症状に似ているため判別がつきにくい場合があります。しかし統合失調症が「思考する機能の障害」なのに対して躁鬱病は「気分障害」のため気分によって症状が変化する特徴があります。

また、躁状態とうつ状態が入れ替わる間の期間では、正常な機能が回復することから統合失調症との違いを見分けることが可能になります。統合失調症では、陽性反応と陰性反応の明確な入れ替わりはなく、正常な機能レベルが回復する時期もありません。

人格障害

人格障害の中には統合失調症と非常によく似た症状を示す、統合失調症型人格障害があります。統合失調症型人格障害による症状のために統合失調症を引き起こすことがありますが、主に陰性症状が発現するため統合失調症の診断基準には該当しません。

大多数の人と違う反応や行動をしたり、物事の捉え方や感情、衝動のコントロール、対人関係における機能の偏りから障害が起こるもので、一般的に統合失調症より穏やかな症状を呈します。治療によって改善する可能性が高いことも、特徴と言えるでしょう。

脳腫瘍

統合失調症では聞こえるはずがない声が聞こえる幻聴が顕著に表れますが、見えるはずがないものが見える幻視の症状は比較的少ないことが解っています。幻視の症状が出た場合は脳腫瘍を併発している恐れがあるため、早期に専門医の診断をあおぐことが大切です。

ウイルス性脳炎

ウィルス性脳炎の臨床症状には統合失調症など、機能精神疾患の症状とよく似たものがあります。日本脳炎、単純ヘルペス脳炎、インフルエンザ脳炎が代表的で、風邪に似た症状から始まって急速に進行し高熱や激しい頭痛、嘔吐などの症状が表われます。

重症化すると脳にダメージを与えて、治療後も記憶障害や言語障害の症状が残ってしまうことがあります。命にかかわることもあるため、素人判断で統合失調症と決めつけずに専門の医師の診察を受けることが大切です。

てんかん

てんかんの発作症状は別の病気と似ていることがあるため、良く間違われます。

一般的に「てんかん発作」は突然意識を失ってしまう症状と思われていることが多いと思いますが、短い発作では一瞬考えられなくなるなどの意識減損発作を起こします。そのため「言葉や文字が頭に入らない」「本を読んでも内容が判らない」「相手の言葉が解らなくなった」というように本人に知覚されます。

てんかんを見過して統合失調症と診断した例でも、処方した抗精神病薬がまったく効果が無かったことから、はじめて「てんかん」を疑ったというケースがあります。

薬物使用による精神症状

統合失調症の検査では、麻薬や覚せい剤の使用によって幻覚や妄想が引き起こされていないか調べる必要があります。また病院で処方される薬剤の中にも精神症状を引き起こすものがあるため、これらについても服用の事実の有無を確認します。

 
家族が統合失調症と診断されたら